2020年9月1日 アフターコロナでオーナー社長型の中小企業の強みが活きる時代(2020年9月 社長の月次コラム)
ここシンガポールやマレーシアでもコロナ禍の影響を受け、在宅勤務などのワークスタイルが急増する状況の中、
会社自身も世の中の流れにアンテナ張り巡らせて、変化し続けないといけない、
コロナ禍はピンチ、苦境ですが、大企業が行き詰まる中で私はオーナー社長型の中小企業の強みが活きる時代が来たと考えています。
オーナー社長型の中小企業の強みが活かせる可能性として下記3つあると思います。
1.意思決定の速さ
オーナー社長型の中小企業の意思決定が早いのは、
組織階層の問題や部門間の調整が大企業に比較して少ないということだけでなく、
会社のオーナーシップの存在が大きいと思います、
多くのオーナー社長型の中小企業が、経営者と主要株主とが同一です。
つまり、絶対的な経営責任を社長が負いながら会社経営ができます、
これが、意思決定のスピードに大きな影響を与えることになります。
もちろん中小企業と言っても中間管理職をごぼう抜きにして、
社長に即相談というケースは少ないと思います。
しかしオーナー社長に相談すれば直ぐに答えがでるという
組織感覚はスピードが必要な時代には非常に重要で、
アフターコロナ時代はスピード感がより求められ、
問題が大きく複雑であればあるほど社長に早く相談して
解決していくことが求められます。
また、既定のビジネスモデルの前提が崩れている場合が出てくるので、
前例踏襲ではワークしなくなる可能性もあります。
そういった時代には「まずは新しいことをやってみよう」という決断がすぐにできます。
こうした意思決定は「オーナーシップを持った社長」を抱える組織構造の特徴であり、
決断力のあるオーナー社長であればスピード感をもった経営ができます。
2.いつも現場にいる
デジタル化、IT化が進展する中で、現実社会の重要性は従来以上に高まると思います。
様々なIT技術を活用するにしても、現場そのものが重要であることは疑う余地はありません。
結局人は現実社会の中に生きています。
ITでアルゴリズムを見出すといってもITのためでなく、
リアルの現場の世界のために作られるのです。
オーナー社長型の中小企業の特性は「いつも現場にいる」ことです。
現場から遠ざかるほど、手を汚さないほどリアルの現場の世界でえるものはありません。
現場で起こる、問題、悩みなどをしっかりと把握して、現場にいることを活かすのです。
徹底的にリアルを追求し、現場に生きることが真実に近づく道なのかと思います。
アフターコロナ時代で重要なことは、世の中の逆を行くような感覚ですが、
現場から離れないことです、経営についても現場にいることが大事です。
今後より現場の技術や勘、手触り感、肌感覚を持った現場からのニーズを
キャッチすることが成功の秘訣かと考えています。
3.連携やネットワークの形成
進化や変化が早く、そのふり幅が大きい時代には、「スピード感」が求められることは前述のとおりです、
ぐずぐずしていては、ステージが次の段階に移ってしまいます。
商品やサービスの付加価値を高めるためには、1社だけなく、他社との「連携」が不可欠です。
もちろん1社で全てに対応できればよいのですが、
国や地域や業種の壁を越えてデータや問題意識を共有し、
お互いの利点を合わせることで、大きな付加価値を得られる場合が増えるはずです、
新たな視点を生むためにもダイバーシティが重要です。
しかし、1国1城の大企業が連携することは容易ではないと思います。
上場企業のように、多くのステークホルダーを意識しながら「相手からメリットを獲ろう」
とすれば簡単に話はまとまらないでしょう。
中小企業の良さは「オーナーシップ」であり、オーナー同士が腹を割って信頼関係を作れるところです。
また、経営資源の過不足も比較的明確ですから、補完し合うべき点も迷うことはないでしょう。
経営者個人のつながりが、新たな連携やネットワークを作ることができるという意味で、
中小企業の強みが大いに生かせるかと思います。
それがコロナ時代に生き残るヒントかもしれません。
時代がオーナー社長型の中小企業を呼んでいる、
中小企業の特性が活かせる時代だということを経営者の皆さんが強く認識する必要があるかと思います。
Kawatecグループ代表:川辺高峰
9月2020年